今日の焦点
黒豆やブランド名の黒いカビ
うぶ砂に兜太の足跡 春の風 2.20/2018
やーるまいぞ遣るまいぞ
四十八坂「控え」忖度
桜より一足早い退陣風
皮算用深夜に増える袋カビ
丹波篠山 退陣メーデー 高なれる
烏の子 クワー クェーン、アファ、アホー
(10)「丹波篠山を『丹波市と篠山市のこと』と混同し、アナウンスしている」【調査報告p.2】とありますが、どんな場面でいつのことなのか。画面の表示は二つの市を指していたのではないか。画面は《丹波篠山》ではなく「丹波・篠山」、音声は「タンバシ・ササヤマシ」であれば、《混同》というのはあたりません。「篠山」をいうのに《丹波・篠山》ではなく「兵庫・篠山」(2017.11.27関西TV「よ~いドン」中『たむけん日帰りツアーで兵庫・篠山への旅』)としていたり、NHKテレビ天気予報画面で「丹波」は旧五国並列の中で出し、地域代表10市には「篠山」を出すようになっていたりして、市名問題の提起の効果も感じられる中、状況の変化に応じた判断が求められるところです。丹波市と篠山市の2市をいうとき、例えば「丹波県税事務所などは25日、篠山、丹波両市の」(2018.5.26神戸新聞)のようにされているのは適切な示しかたで、もしここに旧国名が加わると視覚的にも音声的にもよろしくないことになります。
(11)「関西圏以外では篠山市のことを『しのやまし』と間違って呼ばれることが多く、『丹波篠山』と『丹波』を付けると、理解されることが多い」【調査報告p.2】とありますが、これは漢字の読みにかかること、大字小字に「篠山」が付くのが茨城県に4個所、栃木県に2個所、神奈川県に1個所ありますがいずれも読みは「しのやま」、福岡県の1個所だけが「ささやま」、山では長野県のは「シノヤマ」で高知県と愛媛県の境のは「ささやま」と、漢字「篠」は「シノ」とされるのが多い中、「しのやまし」で検索すると「篠山市」(ささやまし)が表示され(Google.、2018.5.2検索)、「たんばしのやま」でも「篠山市」が示される(同)という状況があり、ATM使用で「篠山支店」は「ササヤマシテン」が正しいと学習されるところにて、今日的視野に立って考えることができる問題といえます。ルビでの対応の方法もあり、例えば鳥取県東伯郡琴浦町保伯37-1大山乳業農業協同組合【写真①】の「大山まきば牛乳」のパック【同②:2018.5.16岡本病院提供牛乳】には「大山」に「だいせん」と仮名を振っているのは参考になるところです。
(12)「地域経済への影響は52億円以上」【調査報告p.5】とありますが、どうやら10年分のことのよう、5月2日「平成30年度篠山市民人権のつどい/人権啓発研修会」で『広報特別版』が配布され、市長は挨拶でこの《52億円》を強調。趣旨外の場を利用してのことでした。「地名ブランド力を徐々に失うと仮定して」【同】損失23億円余を、購入実際場面では比較選択の余地のないものを二者択一で答えさせた結果で効果28億円余を見立ての架空の数字ですが、10年分とは言わず、《一攫億金》の印象を誘っています。その《捕らぬ狸の皮算用》的金額も1年では5.2億円、平成28年度篠山市GDP実質1,559億円の0.3%にあたるのに対しては厳密ではない数値です。購入意向で《栗は、増加1.8%、不変98%、低下0.2%》【統計センター調査】、1.6%をプラス要素としての積算でも関係人口が多いと効果金額は高く出るということになります。場違いの挨拶は《52億円》をいうためのものだったようです。(4)で見たように、《丹波篠山》が2市を指すと思っての回答者もあり、《丹波篠山》=「篠山市」を前提にしている《調査》結果を、市名の是非に使うことも許されません。
(13)調査報告書で《混乱》《誤解》として示されている例は、《丹波篠山》にかかるものです。「丹波篠山」という言い方自体の受け止め方に帰することです。《混乱》《誤解》はデメリットのところ、そのように断じる事例がある方が都合がよい論理展開がなされています。《曖昧》に関するところは明瞭に用いられているのを勝手に曖昧と断じてのことであり、全くの空論です。変えると後発市とも読まれる弊害が生じることになりましょう。それでも変えるというとき、施設名、団体名、イベント名、姉妹都市提携使用名、メディアでの扱われ方、音声による伝達での位置特定、等々への悪い影響が懸念されます。「兵庫県」を付けて市名をいうとき府県をまたぐ旧国名が挟まるのもよろしくありません。《タンバササヤマシ》のデメリット、「ササヤマシ」のメリットを見極める観点を欠く《調査報告》となっています。「市名を変えても問題は解決しない。それよりもブランディングを」(丹波農林振所長)に「変えれば(産地表示で)指導をうけることはない」(広報)と問題をはぐらかすのは、市長日記でいう「篠山の時代」を区切ろうとしているからでしょうか。農協では2011年に「丹波篠山黒豆」として商標登録し(2018.1.21神戸新聞参照)、市議会特別委員会もいう地域団体商標制度の活用をなぜいわないのでしょうか。「丹波篠山」と表記して販売していながら、「現在の混乱状況が続くと丹波篠山産の優位性が低下します。仮に10年の期間で地名ブランド力を徐々に失うと仮定して、その金額(積極的に地域 ブランドを維持することで経済的な損失を抑制することで得られる経済効果額)を算出しました」【調査報告p.4】と、仮定で《効果》を謳い、市名変更に誘導しようとするには、その制度の活用は好ましくないからでありましょう。《曖昧》=《使用不許可》→《市名変更》の論理が崩れると困るからでしょう。《曖昧》《混乱》《誤解》が必要のようです。市名変更のために産地表示のことを利用しているようで、プロジェクトチーム《調査報告書》はそれを弁護する目的で書かれているといわざるを得ません。読み方を誤っている「味まつりアンケート」結果の掲載【同p.8】はあるのに、民意を映した市議アンケート(2017.12.4議会など)にふれることは一文字だにありません。「丹波篠山」を《曖昧》と決め付け「あと5年、10年たって『丹波篠山』がどこを指すのかもっと曖昧になれば法的にも使用できなくなります」【広報1月号、5月号】と、《曖昧》を根拠もなく増幅して卓立しているのは、虚構の論拠がここにあるからです。ふるさと納税の納入先を間違う人がある方が市名変更には都合がよく、白を黒と言いくるめたような材料で薔薇色の絵を描く論法での展開は政治課題の一方の立場に立つものとなってなっています。
(14)条例で定められている市名を守るべき立場のものが、旧国名は同名の先例との区別のためにのみ冠するという市名成立の大原則から改名は不要なのに、市名変更を唱え、広報には「市長を中心に市役所職員が~どこにでも出向き~調査結果の説明や話し合い~」【調査報告p.6】とあります。条例を守り公平中立であるべき立場のものが、政治課題の一方をいうのは、憲法や公務員法に照して問題にならないでしょうか。「ふるさと一番会議(で)市名問題について調査結果を丁寧に説明し~」【同】とありますが、正しく書かれている丹波県民局の文書まで「誤用」【調査報告書p.7:上掲】と断じる虚構の《説明》を重ねるつもりなのでしょうか。会議が《手続きを踏んだ》とする口実づくりになるのをおそれます。
(15)「<氷上>県立丹波医療センター(仮称)着工1年」「<篠山市名変更問題で市が調査へ>企業の負担や支援策検討 商工会などに協力依頼 夏ごろに具体策」(2018.5.11神戸新聞見出し)。前者は「丹波」について《(旧国名か市名かが)分からない》と《プロジェクトチーム》がいいたい材料になりそうですが、「丹波」が旧国名を意味する場合として活用できる事例になります。後者は政治課題として議会特別委員会報告に対抗していて、各企業は《変更》の場合の回答を出さざるを得ないことになり、《支援》を条件に《変更》を是認したことにさせられるのではないでしょうか。
(16)《調査報告》は「『丹波』=『不明瞭』」「『丹波篠山』=『曖昧』」を論拠としていますが、《不明瞭》《曖昧》の根拠は曖昧、というよりも、「丹波市」と「篠山市」を意味する場合の県民局文書を《誤用》と決め付けてのそれは根拠の価値を有しません。アンケートでは「(2市を)指すという誤解が広がって」【調査報告p.2】としいる呼称「丹波篠山」と現2市名の効果を比較させ、2市を指すと答えた人の割合が結果に大きく影響しているのを考慮せずその優位性を謳うのは矛盾、2市を指すから1市よりもよいとしていると読め、《丹波篠山》に「市」を付けないほうがよいと《調査》の結果は語っていることになります。
(17)《調査報告》は、市名変更の大義名分を何ら語っていないのは、「農業者は困っている。(市名の)変更を」(ふるさと一番会議参加者、2018.5.18)「困っているものを助けるために(市名の)変更を」(同閉会後市長談)と短絡的にことの進行をいうのと通じているといえるのではないでしょうか。
(18)「ヒトはなぜ立ったか──立ちたいと思ったから」(大田尭、教育科学研究会全国大会委員長講演、松江市、1976)に倣えば、「市名をなぜ変えようとするのか──変えたいと思ったから」となりそうです。2015年2月の市長無投票当選後ビラの最後には「市名変更の提案」の文字があり、「要望書」は2017年2月、産地表示とかかわって「丹波」不明瞭論「丹波篠山」曖昧論が卓立されだしたのは同年8月で、それが「『丹波篠山』が篠山市のことを指すと多くの消費者が認識しなくなると、丹波篠山の表示が使用できなくなる可能性が高くなります」【調査報告p.5】と《消費者の認識》を独断的に仮定して市の名を変えようとすることに及んでいます。例えば、《丹波市三宝》ではなく「丹波三宝」のひとつとされる「丹波黒大豆」が「兵庫県篠山市産」で出され、ブランド振興に貢献するという観点が《調査報告》にみられません。論議の地名にかかる認知状況の変化への影響を見ればすでに問題解決を得ているというべきでありましょう。
(19)兵庫県広報紙『Hyogo.県民だより』平成30(2018)年6月号丹波版には、最終頁で「丹波」の2文字の下に「篠山市・丹波市」を添え「丹波地域の風景」 森』の姿」を紹介、「大粒の名産品を育む田畑──栗、黒大豆、大納言小豆など、全国に名をはせる名品を育んでいます」、『篠山城下町』の写真とともに「山里と街道沿いの集落と町──農村集落や城下町、旧街道沿いの宿場町の面影を今に残しています」などを述べています。例えば「『丹波地域』(篠山市・丹波市)」との表記を見る「県民だよりひょうご平成24年3月号丹波版」に比べても、地名の出し方への配慮がにじむ紙面となっています。篠山市の発展を論じる視野を示唆する記事であるといえましょう。
篠山市広報No.229(2018年5月号)にも掲載された《調査報告》について感じるところを述べました。ご判読あれば幸いです。
2018.6.4
篠山市野中自治会員大西克彦
【0ur38f47113197u@ezweb.ne.jp】(先頭:数字zero)
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五 月 ・ 風 薫 る 2021 5/3 1900
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